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第1回 関西MMD勉強会 2時間目

関西MMD勉強会の2時間目はPACさんによるモーションの講座。

勉強会のテキストおよび、発表で使用された
モデル・モーションを配布して下さってます
 ↓
http://bowlroll.net/up/dl4406


お陰様で、まとめる必要ないんだけど、
1つ抜けるのもなんとなく…

というわけで、配布資料を教科書としてノート作る感じで書いてみます
 (資料をなぞるだけともいう…)



2時間目 人間らしいモーションの作り方 PACさん


【人間らしいモーションとは】

「人間らしいモーションをつくる」これは「人間の動作の模倣」に他ならない
      ・トレースであれば、トレス元の動作通りに
      ・オリジナルであれば、人間はこう動くという想像通りに
 各関節の動作をモデルの各ボーンに『翻訳・意訳』する
                           ↓
               人間の骨とモデルのボーンでは、数や配置が異なる。
               人間の動きをモデルで再現するには、
               「モデルのボーンでやるならどう動かすか」という翻訳が要る

つまり、
トレースであれば    トレース元の動作の解釈 → モデルで再現
オリジナルであれば  人間はどう動くのか想像 → モデルで再現 なので
                     
           この部分が間違っていると、
           どんな再現手段を用いても人間らしい動作にはならない。
         ※特にオリジナルモーションの場合、明確な正解が存在しないため、
          想像と再現手段のどちらが間違っているかの見極めが重要
  
●では、「再現手段」って?
  モデルで人間の動きを再現する際の手段は
   ①キーのタイミング
   ②ボーンの位置・角度情報
   ③補間曲線の形状

 この3つしかない。これだけで全てを表現する必要がある。

 言い換えれば、モーションの出来の違いは基本的に
 このたった3つの手段の使い方の違いでしかない。



【モーションについてのTipsの検証】

こんな話を聞いたことはないだろうか?
 ①キーを「階段打ち」にすると良い
 ②キーの数は少ないほうが良い
 ③補間曲線は「S字」が良い
 ④「多段ボーン」を使えば滑らかに!
      ↓
  これらはなぜなのか?そもそも本当なのか?
  検証してみよう!
   ※配布資料の中に、これらの検証のための
    モデル・モーションが同梱されてます! 


①キーの階段打ち

階段打ちというのはこういう状態のこと↓
         スクリーン01
体幹に近い関節から、関節ごとにキーのタイミングを1~2フレームずらして打つ

人間の動作は、各関節の動き始め・停止のタイミングは少しずつずれる。
そのため、適切なポーズを繋ぐだけでは人間のモーションとしては不十分で、
関節ごとの動作を考える必要がある。
 ↓
「関節ごとの動作タイミングのずれ」を表現するのが「階段打ち」

※ただし!階段打ちが常に正解とは限らない!

ここで合理的なトレース手法の例として、
danchoPのスピードモーショントレスを紹介

センター → 体幹 → 末端     の順に、
各関節の動作をパーツごとに再現しており、非常に理に適っている。

ダンスモーションのトレースの際は、各関節の動作タイミングが
「リズム」に同期することが多いため、結果的に「階段打ち」が不適となることも多い。

逆に、日常の動作、脱力したモーションのトレースを「スピードモーショントレス」
のやり方で作成した場合、キーは自然と階段状になるはず。

 ①のまとめ
 ●モーションの作成は、関節という
パーツごとに考えよう
 ●その結果として、キーが階段状になることがある
 ●でも必ずではないので、自分の観察結果を優先しよう



②キーの数は少ないほうが良い?

全フレームにキーをベタ打ちしても、そのキーが全部正確なら自然な動作にできる。
 →配布資料中の「実験③キー数の違いB.vmd」のセンターに注目!
   30F近くにわたってベタ打ちしているのに、
   動きの変わり目だけにキーを打って間を補間している
   「実験③キー数の違いA.vmd」と動きに差が見えません

つまり、キーの数自体が直接モーションの自然さに影響するわけではない

では、なぜキーの数が問題になるのか?
 ↓
キーの数だけ、キー自身の正確さ、キーとキーの間の補間曲線の適切さを
調節する必要がある
から。

 ②のまとめ
 ●キーとは、位置・角度情報+補間曲線形状の繊細な調節が必要となる箇所である
 ●
キーの数=調整の必要な箇所の数である
 キーの数を減らすと、結果的に工程数&調整ミスの可能性を減らせる



③補間曲線はS字曲線が良い?


●MMDの補間曲線は次の5種類に大別できる。
直線スクリーン02
加速スクリーン03
減速スクリーン04
S字スクリーン05
逆Sスクリーン06


人間は「完全静止」ができない。

そして、衝突の反動等がない限り、「一瞬で移動・回転方向の反転」はしない。
 ↓
あらゆる動作の基本は「加速⇔減速」の繰り返しとなる。


止まった状態から徐々に速度を上げ、だんだん減速して止まる。
これが動作の基本なので、S字曲線の使用頻度が高くなる。
ただし、絶対にS字という訳ではない。

回転軸が2つ以上の場合には、動作の始めと終わりのキーだけでなく、
中間点を設ける必要が出てくる。
S字にならないのはそういう時など。

  Tips: ひじの関節はY軸方向に150度位までしか回転しない。
       捻る動作は骨でやっている。→これを再現するのが捩じりボーン
       同様に、ひざと指2・3も回転方向が1軸しかないボーンである。



④「多段ボーン」を使えば滑らかに?


●標準ボーンのみでは再現が困難な動作が存在する。

 標準モデルのボーン(モーション作成に使うもの)のうち、
 移動可能なのはセンターと両足のIKのみ。
 他のボーンは回転しかできない。

 センターやIKでは、1つのキーにXYZ軸それぞれの移動、回転の補間曲線を
 別々に設定できる。
  ↓
 移動については3軸の補間を分けられるのに、
 回転については1つの補間曲線しか使えない。

 しかしながら、人間の関節のほとんどは2軸以上の方向に同時・複合回転できる。

  ↓
 標準状態では実態に合う補間曲線をつけられないため、
 間にキーを打って補うことになる

 また、センター移動などについても、複数の軸方向に同時に動く場合には
 各軸の移動速度が0となる地点ごとにキーを打つ必要が出てくる。

  
 標準ボーン構造では、これらの中間キーによってキーの数が増えてしまう。
 でも②で触れたように、キーは少ない方が管理しやすい。


ボーンを多段化する目的は、
 各段で役割分担をし、キー1つあたりの情報を単純化すること。

 軸ごとの動作そのものは、基本動作である「加速⇔減速」の繰り返しにすぎない。
 ならば、軸ごとに動作を分割出来れば、最小限のキーとS字曲線で動作させられるのでは?
         ↓
      これが多段化の根幹

 
  ※同じ働きをするボーンの複製は、多段ボーンの中では最も基本的な使い方に過ぎない。
   ボーンの組み合わせ方によっては、非常に様々な使い方が可能!

入門としては、センター・上下半身を2段化すると良いかも。 
       私のオススメはセンター3段、足IK2段です。
       センターはそれぞれXYZ軸移動用に、足IK1段目で移動、2段目で回転と
       役割分担して、分かりやすくなりました。
       センター回転も使うなら4段がいいかも。

  PACさんの発表を聞くまでは、段が多くなるほど扱うのが大変なような気がしてた
  んですが、そうじゃないんだというのが分かってスッキリしました。
  多段の目的は「役割分担」であり、自分の目的に合う段数が一番分かりやすい。
  段を減らそうとすると、複数の情報を1つに統合して考える必要が出てくるので、
  ビビらずに段を増やした方が実は快適なのですね。
  沼地仕様のミクさんを見てビビったはずなのに、
  うちのアニキもちょっとそれに近づいていってる今日この頃w

 多段ボーン便利だよ!怖くないよ!
 さぁみんな、ちょっとボーンを増やしてみよう!

 多段化してみたくなったら、PMDエディタに便利なプラグインがあるよ!
 プラグインでは上手くいかない場合もあるけど、手動でやっても難しくないよ!





 階段打ちの話なども、自然なモーションならそうなっている!と聞いても
 どう見てもそうならない:(;゙゚'ω゚'):私にはこう見えるんだからこれでいい…
 とか思ってたので、お話を聞いて非常に嬉しかったというかホッとしたというか。
 他にも色々な「こうすれば必ず自然」という説があるかもしれないけれど
 結局のところ、トレースやるなら自分の目を信じるということでいいんだなぁと。

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